飲食店においてお客様に満足してもらうために、十分な人数のスタッフを配置したいですよね。ただ、人件費を無駄に出さないためにも、配置人数を多くしすぎるのは避ける必要があります。
また、店舗の配置人数の適正を知ることで、人件費を抑えるだけでなく。どれくらい採用すればいいかも把握でき採用活動にも役立ちます。
本記事では、飲食店の経営者向けに、スタッフの配置をどれくらいの人数にすればいいかの解説をします。
飲食店で人手不足にお困りの方に必見の記事!
目次
飲食店での配置人数の決め方
店舗経営者にとって、最も最適な配置の仕方は「必要最低限の人数で、高い利益率を実現する」ことです。
そのために、従業員の適正を見極めたうえで、最適な場所に最適な人数を人員配置する必要があります。
店舗あたりの配置人数の計算方法
店舗の必要従業員数は、店のテーブル数や客席数をもとに算出することができます。
従業員の配置人数を決定する際に、最初に必要なホールの人数から決めます。
ホールの適正人数は下記の計算式から求めることが可能です。
たとえば、収容人数が80人の場合、「80÷4(= 適切なテーブルの数)÷4=5」となるため、5人が適正人数となります。
これに加え、キッチンや店舗責任者などの人数を含める必要があるため、合計で9名ほどの配置人数になります。
ただ、これはピーク時のための適正人数であるため、早朝のような客足が少ない時間帯ではこれより少ない人数で回すことができます。
人件費率から考える
配置人数を決める際に、人件費も考慮する必要があります。ここで、飲食の経営において重要な指標である「人時売上高」と「FLR比率」の2つを解説します。
人時売上高
人時売上高とは、「従業員1人あたり1時間にどれだけの売り上げを出したかを数値化したもの」です。
人時売上高は下記の計算式から求めることが可能です。
※労働時間は、正社員、アルバイト、パートなどすべて雇用形態の従業員の労働時間の総計
人時売上高の理想は5,000円ほどと言われています。
仮に、これが3,000円以下のような低い数値になると、材料費やスタッフに支払う時給、保険その他付帯費用など勘定すると赤字になってしまいます。
逆に、8,000円以上のように高い数値になると、店員の数が十分ではなく、お客様に高いサービスを提供できてない可能性があるため、人時売上高が高すぎて問題があります。
そのため、5,000円が店舗の利益を得つつ、お客様に満足してもらえる目安となります。
例として、月の売上高が300万円の場合、人時売上高を5,000円にするために、月間総労働時間は600時間になります。
ただし、日によって売上も変動するため、休日のように売り上げが多いとされる日では従業員数を増やし、売上が少ない日では従業員数を減らすなど工夫を行い、月単位で調整するようにしましょう。
FLR比率
人時売上高だけでなくFLR比率も配置人数を決めるのに役立ちます。
FLR比率とは、「売上の中で、食材費(Food)+人件費(Labor)+家賃(Rent)が占める割合を分析するための指標」で、比率が低いほど利益が高く、比率が高いほど利益が低くなります。
FLR比率は下記の計算式から求めることが可能です。
理想的なFLR比率は、売上に対して材料費+人件費が60%、家賃が10%の70%とされています。
もし、これをオーバーしているようでしたら、無駄なコストを見直す、また効率化することでコストを抑えていくなど、改善を行っていく必要があります。
時間別スタッフの人数を決める際のポイント
では、実際に時間別にスタッフの人数を決めるときにどのようにすればいいでしょうか。
ここでは、時間別の人員配置について解説します。
忙しい時間・日を把握する
まず、店舗の売り上げを把握するために、忙しい時間・日を知る必要があります。
既存の売上や店舗の種類から、いつが忙しいかということはある程度把握できるかと思います。
忙しい時間が分かれば、前述した「ホールの適正人数」の計算式からホールの人数を出し、そこから、キッチン、店舗責任者の人数を決定しましょう。
売上と人件費を考慮する
スタッフの配置人数を決めるときに売上と人件費を考慮する必要があります。
人時売上高と月の売上から、従業員の月間総労働時間はある程度決定できます。そこから、忙しい時間帯に配置したスタッフの総労働時間を引いた数値が残りの理想の総労働時間です。
例として、下記のような居酒屋があるとします。
- 収容人数は20人
- 月の売上300万
- 金曜の18:00~22:00までがピーク時間
- 営業時間は17:00~24:00
- 毎週日曜日は休み
まず、「従業員の月間総労働時間」は人時売上高5,000円を目指すとすると、600時間となります。
そこから、ピーク時のホール3人、キッチン1人、責任者1人の5人がいるとすると、
4(時間)×6(人)×4(日)=96時間
これを従業員の月間総労働時間に引くと、残りの総労働時間は504時間となります。
また、月の営業日数を26日とし、ピーク時を除いた営業時間は
26(日)×7(時間)-4(時間)×4(日)=176時間
残りの営業時間176時間に対し、総労働時間は504時間残っているため、
504÷176=2.86(人)
となります。
これらをまとめると、
ピーク時には5人のスタッフを配置し、ピーク時以外は3人ほど配置すると、理想的な人件費となります。
シフト管理ツールの活用
シフトの人数を決めるときに毎回売上から計算するのは煩雑に思う方も少なくないかと思います。
これらの作業を減らす方法として、シフト管理ツールの利用もおすすめです。
シフト管理ツールによっては、時間別の配置スタッフの過不足を可視化できるため、人手が足りない時間帯・人数をすぐに把握できます。
また、シフト作成時に人件費の自動計算ができるものもあるため、売り上げ予算に対してどれくらいの人件費がかかっているかを可視化でき、日別の人時売上高を算出可能です。
スタッフの配置人数を素早く行いたいならこのようなツールの利用もおすすめです。
適性にあった従業員を配置する
スタッフによって仕事の適性は異なるため、最適な配置を行い業務効率を上げましょう。
最適な人数で配置しても、できる仕事内容が偏っていたとしたら、お客様に満足の頂けるサービスを提供することは難しいです。
従業員ごとに何ができるかや何が得意かなどを把握し、スタッフに合った配置を行いましょう。
飲食店スタッフの採用方法
ここまで飲食店の適正な配置人数について解説しました。
しかし、そもそもスタッフに余裕がなく、忙しい時間帯だとしてもシフトが埋まっていないことが頻繁に起きているのであれば、適性人数を配置することが非常に難しいです。
このような状況をなくすためにも、新たなスタッフを採用する必要があります。
ここでは、飲食店スタッフを効率的に採用するための3つの方法を解説します。
求人サイトに求人を載せる
採用活動において、一般的な方法として求人サイトに求人を載せることです。
求人サイトの特徴として、多くの求職者に最新の情報を素早く届けることができる点です。 現在、多くの求職者が仕事を探すときに求人サイトを利用しているため、必然的に他の媒体に比べ多くの求職者にアプローチすることができます。
飲食店に特化した求人サイトも複数あるため、それらを選ぶのがおすすめです。
また、求人サイトでは、比較的自由なフォーマットであり、画像なども掲載が可能なため、これらを活用し文字では伝えづらい職場の雰囲気なども伝えることができます。
Indeedの利用
Indeed(インディード)とは、求人に特化した採用プラットフォームです。
検索できる項目は「キーワード」「勤務地」の2つのみになります。自分の希望するキーワードと勤務地を入力すると、親和性の高い求人情報のWebページが検索結果として表示されます。
例えば「居酒屋」「名古屋」と調べると、Indeedに登録されている、名古屋の居酒屋の求人が表示されます。
Indeedのメリットとしては、利用者が非常に多く、国内におけるIndeedの月間訪問者数は2021年3月の段階で、延べ4,220万以上と言われています。
Indeedの詳細については、「Indeed(インディード)とは?仕組みを徹底解説|無料で求人掲載して大丈夫?」で開設してますので併せてご覧ください。
採用サイトの作成
採用コストをかけずに採用活動を行う方法として採用サイトを作成することです。
自店の採用サイトを作ることで、店舗や従業員の雰囲気、店舗からのメッセージなど求人票だけでは伝えづらい情報も伝えることができます。
採用サイトを作成するとなると工数が非常にかかるというイメージがあるかもしれませんが、現在では無料で簡単に作成できるツールもいくつかあるためそれらの利用がおすすめです。
特にリクルートが出している「Air ワーク 採用管理」なら、オリジナルの採用ホームページの作成や、求人掲載、採用管理、応募者との連絡などのさまざまな機能がありおすすめです。
Air ワーク 採用管理の詳細は、「【2023年】エアワーク(Airwolk)のアカウント作成から求人掲載までの流れ・手順を解説」でも解説していますので併せてご覧ください。
エアワークで応募を大幅アップした事例を共有!
まとめ
本記事では飲食店における適切なスタッフの配置人数について解説しました。
最適な配置人数を知ることで、お客様が満足いくサービスを提供しつつ、人件費も抑えることができます。
今後、時間別のスタッフ配置の際に、本記事が参考になれば幸いです。
ひとむすび立ち上げメンバー(2022年12月)。飲食店の大きなお悩みである求人・採用から、スタッフの育成や定着、労務、集客まで幅広く情報を発信しています。 飲食店の経営者・人事担当者様にとって価値ある記事をお届けし、お役に立てるよう精一杯頑張ります!
関連記事
-
【2024年版】飲食店が応募を増やすために利用すべき求人媒体求人・採用・選考
- # 求人広告
-
無料で求人広告を出せる9種類のサイト求人・採用・選考
- # 求人広告
- # 無料求人
-
飲食店アルバイト採用のコツ|求人募集から入社後のフォローまで解説求人・採用・選考
- # 求人広告
- # 選考・面接
-
【2024最新版】飲食店でアルバイトが集まる求人票の書き方求人・採用・選考
- # アルバイト採用
- # 求人広告
-
【飲食店経営者向け】Indeedの電話番号は?Indeedのお困りごとを全て解決します求人・採用・選考
- # indeed
-
飲食店の採用は難しい?応募を増やすための7つの施策求人・採用・選考
- # indeed
- # 採用サイト
- # 求人広告
- # 無料求人
- # 社員採用