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飲食店の求人でよく見る「まかない無料」は、求職者にとって非常に魅力的な条件です。 しかし、税務上のルールを理解せずに無料で提供していると、思わぬ税務リスクを抱える可能性があるため注意が必要です。
本記事では、飲食店経営者の方に向けて、まかない提供のルールや注意点について解説します。まかないの提供を考えている、もしくはすでに提供をしている方は、ぜひご一読ください。
目次
「まかない無料」に潜む税務上のリスク
従業員にまかないを無料で提供した場合、会社が代わりに負担した食事代は「現物給与」とみなされ、
原則として課税対象になります。
たとえ廃棄予定の食材であっても、食事として利用できるものであれば税務上は一定の価値があると判断されます。
現物給与として源泉徴収を行っていなかった場合、税務調査で指摘されると過去3年分(法的には過去5年分)まで遡り、未納分の所得税や不納付加算税(10%)を納める必要があり、すでに退職した従業員から徴収するのは難しいため、最終的にオーナーが負担するケースが多くなります。
まかないを非課税(福利厚生費)にするための2つの条件
しかし、お店を支えてくれるスタッフのみなさんにまかないを提供したい……
そう考える方がほとんどかと思います。そこで、課税対象から外れて福利厚生費として処理するための方法をご紹介します。
まかないを非課税対象とするためには、以下の2つの要件を両方満たす必要があります。
条件①:従業員が食事の価額の半分(50%)以上を負担していること。 つまり、自己負担が0円である「まかない無料」はこの条件を満たさず、給与課税の対象となります。 条件②:会社が負担した金額(食事の価額-従業員の負担額)が月額7,500円(税抜)以下であること。
たとえば、具体的な計算例を見てみましょう。
1食の材料費(直接費)が600円(税抜)の店舗において、月に20回食事を提供する場合を想定します。
1食ごとの判定(条件①の確認)
・食事の価額:600円(材料費相当)
・スタッフの自己負担額:300円
・店舗側の負担額:300円
このケースでは、従業員が食事代の50%を自ら支払っているため、まずは第一の条件をクリアしています。
月間の合計額判定(条件②の確認)
月間の会社負担合計:300円 × 20回 = 6,000円
1ヶ月の会社負担が6,000円となり、改正後の上限である7,500円(税抜)の枠内に収まるため、
第二の条件も満たします。
以上の通り、2つの条件を同時に満たすことで、会社が負担した6,000円は給与として課税されず、「福利厚生費」として適正に計上することが可能となります。
※食事の価額は、社内で調理する場合は「材料費などの直接費用」、購入した場合は「購入金額」をベースに計算します。
※非課税限度額を超えた場合、超過分だけではなく「会社負担額の全額」が給与として課税されるため注意が必要です。
※食事ではなく現金で食事代を支給する場合は、原則として全額が課税対象となります(深夜勤務者の夜食等を除く)。なお、残業や宿日直の際の食事は無料で支給しても非課税となります。
従業員の不満を防ぐ!まかない有料化への実務的な対策
税務リスクを避けるためにまかないを有料(半額以上負担)にする場合、既存アルバイトから不満が出ないよう対策が必要です。
支払い・給与計算で工夫する
「まかない料金を給料から天引きする」または「給料にまかない相当額を上乗せする」などの調整を行い、従業員の負担感を和らげます。
ルールの明確にする
非課税の限度額(月額7,500円以下)に収めるため、月に食べられるまかないの「回数制限」を設けるなど、明確な運用ルールを作ります。
単なるケチな施策だと思われないよう、「無料提供は税務上の違反になる」という背景をスタッフにしっかりと説明し、納得してもらうことが重要です。
それでも「まかない」を支給するメリット
税務上のルールを守る手間がかかっても、飲食店がまかないを提供するメリットは大きいです。
求人応募率の向上
求人サイト等で「まかない付き」と記載することで、求職者の関心を集めやすくなります。
接客力・提案力の向上
自店の料理を実際に食べることで、お客様へ具体的なおすすめや詳細な説明ができるようになります。
モチベーションアップ
食費の節約にも繋がる美味しいまかないは、職場への愛着を育み、スタッフや学生アルバイトの方々が意欲を持って働くための活力源となります。
リスクを抱えず、適切に「まかない」を提供しよう
「まかないは無料・非課税」という誤った認識のまま運用すると、将来的に大きな税務リスクを抱えることになります。 令和8年の非課税限度額引き上げ(7,500円)を良い機会と捉え、自店のまかないルールが「半額負担」と「月額上限」を満たしているかを見直し、適切な運用を目指しましょう。
参照:[ 国税庁 ]
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/gensen/03/44.htm
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/04.htm
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/840726/01.htm








