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父から受け継ぐ味と誇り。老舗たこ焼き店「いちから」がAirワークで切り拓く、新たな組織づくりと未来

事例
2026.8.20
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愛知県・藤が丘。学生街と住宅街の顔を併せ持つこの地で、約30年にわたり地元の方々に愛され続けている『たこ焼のいちから』。創業者であるお父様が築き上げた店を守り、二代目として娘の愛子さんが経営に携わり、2022年には2店舗目となる「中部国際空港セントレア店」をオープンしました。家族ぐるみの新たな経営体制へと移行していく中で、店舗が直面していたのは「新しい組織づくり」という大きな壁でした。 本記事では、同店がいかにして『Airワーク』を活用し、理想の職場環境を実現したのでしょうか。そして、古き良き伝統を守りながら描く『いちから』 の新たな経営ビジョンについて迫ります。

Airワーク導入背景 〜父の背中への感謝と、改革への壁〜

『たこ焼のいちから』の歴史は、愛子さんの父の決断から始まった。

「『たこ焼のいちから』の原点は、わたしが1歳の頃に父が始めたフランチャイズのたこ焼き屋さんなんです。その後、フランチャイズを卒業し、独立を決意した父が、このお店を立ち上げました。当時は一人でお店を回していたそうですが、巨額の借金を抱えて大変だったと聞いています」。

今でこそ「尊敬する父」と語るが、幼少期は「たこ焼き屋さん」という家業を少し恥ずかしく感じることもあったといいます。そんな愛子さんが、なぜこの店を受け継ぐことを決意したのか?転機は、オーストラリアへのワーキングホリデーだったそうです。 

「ゴールドコーストで海岸沿いをランニングしているとき、振り返ると景色がとても綺麗だったんです。美しい景色を眺めていると、これまでの人生や、いま自分がここにいることも、全部『いちから』のおかげだったと、自然と店に立つ父の背中を思い出したんです。お店があることや、通ってくれるお客様の存在、そしてお父さんへの感謝の気持ちとともに「あの店を絶対にほかの人に継がせたくない。あの店を大切にできるのは自分だけだ!」という思いが湧きあがってきて、その日のうちに父に電話をして継がせてくれと申し出ました」。

先代であるお父様は突然の娘の申し出に戸惑っていたそうです。自分がしてきた苦労を娘にさせたくない、という思いを払拭できなかったのかもしれません。そこで「一度は就職して社会に出て働く」ことが条件として提示されました。

そして愛子さんは卒業後、大手小売企業に就職。組織やブランドづくりを学んだ末、満を持して『たこ焼のいちから』の店頭に立ちました。

しかし、愛子さんの前に大きな壁が立ちはだかります。当時の店舗は長年勤めるベテランのアルバイト・パートさんたちの手によって支えられていましたが、愛子さんの目指す理想の店舗とは程遠い状態だったのです。

 「よくいえば、アットホーム。悪くいうと惰性状態。それが当時のいちからでした。その状況を改善するため、まずは勤怠ルールを定めることから始めました。最初に決めたのは、勤務中の飲食ルールやアクセサリー・スマホの使用について。禁止事項を増やすばかりではなく、有給をとりやすくする等バランスを見つつ、より働きやすくなるようなルール作りを進めていきました。しかし、長く働いてくれていたスタッフの方々からは反発の声が上がって……なかには20年近く働いてくれていたベテランスタッフもいたので、やりかたを急に変えろと言われたら、抵抗感を感じるのは当然ですよね」。 

組織を変えるには、新しい血を入れるしかない。そう痛感した愛子さんは、採用手法の根本的な見直しを図ることになります。

導入による変化 〜「面白い人材」との出会いと、理想の環境の実現〜

これまでの採用活動は店頭の張り紙が中心でしたが、たまたま営業を受けたことをきっかけに『Airワーク』の導入を決意。この決断が、組織に新しい風を吹き込む起爆剤となりました。 

「従来は、店頭にチラシを貼って採用活動をしてきました。お店に来てくれた人が応募してくるので、店に対する熱意や愛着を感じられて安心感もありましたが、『Airワーク』を利用した『通年パック』を始めてからは、よい意味で面白い子が集まってきましたね。まず驚いたのは、毎月安定して3〜5件の応募があること。お店にチラシを貼る従来の方法では、ここまでコンスタントな応募はあり得ませんでしたが、県外出身で進学をきっかけにアルバイトを始めたい子など、求人広告を出さなければ出会えなかった、たくさんの素敵なご縁に恵まれました」。

「募集の緊急度が高くない時でも、『Airワーク』に求人を出し続けることで、より良い人材の発掘に活用しています。他の求人媒体に常に求人を出し続けておくと、毎月高い掲載費を払い続けないといけません。ですが、常に無料の求人を『Airワーク』に掲載しておいて、必要になったタイミングで広告費を追加する。このやり方が当店には合っていました」。

愛子さんは『Airワーク』を活用することで、これまで出会えなかった人材層へアプローチでき、求める人物像の採用に成功していきます。今後も店舗の状況に合わせて使いこなしていきたいと語られていました。

そしてもう一つ、結婚、そして妊娠という愛子さんに訪れたライフステージの変化とともに、新たにキーマンとなる人物が『いちから』に加わることとなりました。広告営業として企業に勤めていた当時から飲食業界や『いちから』の経営に興味を持っていた夫が、家業に入る決断を下したのです。

 「夫から報告を受けたとき、父は涙を流して喜んでいました。心の中では『わたしのときにも泣いてよ!』と思いましたけど(笑)」。

たこ焼きの品質や接客、そして面接などの採用業務まで、店舗運営に真剣に向き合うパートナーは、安心して任せられる存在だそうです。

「面接は、人を見る目が絶対あると自称している夫に一任しています。採用基準はとにかく素直であること。働きながら『いちから』のカラーに染めていけばよいので、経験値は重要視していません」。

「また、働くスタッフのためにも制服も刷新しました。バンダナをキャップに変えてからは、応募してくる方の雰囲気も変わりましたね。外国人留学生のアルバイトさんも素直な子が多く、お店全体を和やかな空気にしてくれています」。

髪色の規定を緩める一方で、新たにネイル禁止の項目を追加。時代の変化に合わせた改善と、衛生管理を徹底する飲食店としての姿勢を明らかにしました。さらに愛子さんは、店舗への愛着を持つスタッフを採用することの重要性も実感されているのだとか。『働けることへの感謝』『お客様が来てくれることへの感謝』の気持ちを持てるかを重要視されているそうです。

 「たこ焼きが毎日売れていくことに対して、『たくさんのお客様にいちからのたこ焼きを買ってもらえるってすごいことですよね、ありがたいですよね』と自然と言える子がいいんです。アルバイトの枠を超えた高いレベルを求めているのはわかっていますが、そういった価値観を共有できるスタッフを大切にしていきたいですね。自分が食べるなら……と思考を働かせながら盛り付けをしたり、接客を考えたり、お店のファンだからできることがありますから。今働いている子の中には『いちから』のたこ焼きが大好きで出勤日はもちろん、わざわざ休みの日にも食べに来てくれる子もいるんですよ」と、愛子さんは嬉しそうに語ります。

「昔はスタッフに試食を勧めても遠慮されることが多かったのですが、今のメンバーは最後の一つをじゃんけんで取り合うほど。そんな無邪気な姿を見ていると、本当に微笑ましくなりますね」。

採用と教育の仕組みが機能し始めると、古い慣習に浸かっていたスタッフが徐々に入れ替わり、店内の空気は劇的に改善しました。 

「採用する時点で職場の雰囲気がだらだらしていると、それを求めて応募してくる求職者も多かったのですが、『Airワーク』で求人をしてから、少しずつですが自分の理想とする環境に近づいています。これからもお店の状況やフェーズに合わせて『Airワーク』を活用し、理想を追い求めていきたいですね」。 

今では風通しの良い環境が生まれ、大学生アルバイトの社員登用も視野に入れた、フラットな組織づくりが進んでいます。

今後の展望 〜「今あるものを守る」ことが最大の差別化〜

『Airワーク』を通じて理想の組織体制が整いつつある今、愛子さんが見据える「いちから」の未来は、「無理な拡大」ではなく「足元を固めること」だと語ります。 

「新たに基幹店を増やすことが目標です。セントレア(中部国際空港)店とは別に、腰を据えた店舗を1店舗増やしたい。そのためにも、人を増やすのが一番の課題です」。

地域密着型の店舗として、古くからの常連客との絆も深い『いちから』。セントレア出店のポスターを藤が丘の店舗に貼った際の出来事が、その愛されぶりを物語っています。

 「ポスターを貼っておいたら、お客さんが喜んでくれて。でも『藤が丘のいちからが有名になるのはうれしいけど、俺らのいちからが!』と、有名にならないでほしいと葛藤している姿が忘れられないです。推しがデビューしたファンのようでしたね」。

効率化が叫ばれる現代において、愛子さんはあえて「老舗になること」の価値を追求し続けています。 

「古き良きを意識しています。はやりものビジネスもあるし飲食店も増え続けているけれど、老舗になることって新しいお店にはできないブランディング・価値です。そこを絶対に守りたいと思っています。キャッシュレス決済も便利だし楽だと思うが、まだ粘りたいですね。現金のやりとりに味があると思うから。 無理に成長させたり、新しいものばかり追い求めるのではなく、いまあるものを守っていくことが大事だし、それが成長や差別化につながっていくと思うんです」。

父から受け継いだ味と人情、そして『Airワーク』を通じて出会った新たなスタッフたち。その両輪で、『いちから』はこれからも地域に根差した唯一無二の老舗として、確かな歩みを続けています。

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